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観た映画メモっとこ♪ 映画って本当に面白い!色んな人生が私のもの

Big_kirakira_5

Big_kirakira_5
2018.10.21 ミスミソウ



ジャンル:ホラー
原題:LIVERLEAF
製作年:2017年  製作国:日本
監督:内藤瑛亮
原作:押切蓮介
出演者:山田杏奈 / 清水尋也 / 大谷凜香 / 大塚れな / 中田青渚 / 紺野彩夏 / 櫻愛里紗 / 遠藤健慎 / 大友一生 / 遠藤真人
上映時間:114分
R15




東京から田舎に引っ越してきた野咲春花は、クラスメイトから壮絶ないじめを受けていた。同じ転入生の相場晄(みつる)に助けられながら耐えていた春花だが、いじめは日に日にエスカレートしてゆく。そしてある日、春花は家を燃やされ両親を焼き殺されてしまう。思いもよらぬ悲劇に心が崩壊する春花。やがて、事件の真相を知った彼女は、復讐に打って出ることになる。





“あらすじ”だけ読み真面目(一般的)な復讐劇かと思ったらコミックホラー原作映画でした。
いや、面白かったんですがね。






暴力描写の背景にある少年少女の心理が繊細に描かれていました。
ある種、自傷行為のような暴力だなぁ・・と。
自分の届かない想いだったり、鬱屈した感情というのを他者を傷つけることで吐き出そうと。
ですけど、結果自分の心を傷つけている。

閉塞した社会の中、大人も子供もみんな狂っている。
何と言っても相場くんが・・・コイツが一番怖い。




ミスミソウ : 厳しい寒さに耐えて、雪の下から顔をのぞかせる可憐な花
花言葉 : はにかみや




*これまでに観た実写化された怪奇・ホラー漫画

彼岸島(2009)

悪の教典(2012)

フリーキッチン(2013)






ジャンル:ドラマ
原題:THE SQUARE
製作年:2017年  製作国:スウェーデン / ドイツ / フランス / デンマーク
監督:リューベン・オストルンド
出演者:クレス・バング / エリザベス・モス / ドミニク・ウェスト / テリー・ノタリー
上映時間:151分




美術館のキュレーターとして有名なクリスティアン(クレス・バング)は、良き父親であり、慈善活動を支援するなど、周囲から尊敬されていた。他人への思いやりを促すインスタレーション「ザ・スクエア」の準備に追われていたある日、彼は財布とスマートフォンを盗まれてしまう。それらを取り戻すために彼が取った行動が、思わぬ事態を引き起こし……。



  

あの【フレンチアルプスで起きたこと(2014)】のリューベン・オストルンド監督の最新作。カンヌで最高賞のパルム・ドールを獲ったとなれば観ない訳にはいきません。今度はどれくらい意地が悪い作品なのか?

前半は、日常生活をしていて我々が遭遇しそうな人間の滑稽な行動や言動をシニカルに切り取ったような感じで、フッ。。と(鼻で)笑ってしまいます。ところが、後半からは段々と不穏な空気が流れ込んできて、次第に恐ろしく感じてしまうようなそんな展開を見せていきます。





主人公のクレス・バングという俳優さんは初めて見ました。
俗物な迷えるイケメンを繊細に演じきっていました。





タイトルの「ザ・スクエア」というのは劇中に登場する現代アートの作品名なんです。
どんなものかと言うと、地面の上に描き出されている単なる四角形。
このアートにはミソがあって、「この中では全ての人が平等の権利を持ち、公平に扱われる」というルール設定なんです。

このスクエアは映画の序盤から登場するわけなんですが、それが軸となって物語が展開していく感じではないんです。先ほど言ったルール設定のされているスクエアの内側ではなくて、あえて外側を描くことで実は表現をしていると。





クリスティアンは確かに利己的な行動をとり続けるんですけど、ゲスな奴かと言ったらそうではないんです。物語の中盤で物乞いの移民女性にチキンサンドを買ってあげるくだりがあるんです。すくなくとも見返りを求めての行動ではないんですね。ところが、彼はそこで実に理不尽な言葉を物乞いの女性から投げつけられてしまうんです。もはやスクエアの外側はエゴイズムに満ち溢れていると。通り一遍の思いやりや親切とかで世の中が救えるほどもうそんな状況ではないんだよと。移民問題の深刻さも見え隠れしていました。





しかし、あのサル男にはイライラさせられました。しかもそのシーンが長い。
監督の人間としての底意地の悪さがあの尺まで持っていったんでしょうか? オイオイ
その後の集団リンチ。まさにカオス(怖)





本作最強の衝撃シーンは、一夜限りの女性記者の家に普通にいたチンパンジー。
もう最高に可愛いー。





あの男の子・・・私は亡くなったと思っていますが・・。クリスティアンは、「引っ越して居所も分からなくなったから会わずに済んだ」とホッとしたような。集合住宅のラセン階段の上から下を見ると中央部の小さな吹き抜けがやはり四角形なんですよ。これは、どこまでもどこまでも利己的があるがゆえにいつまで経っても問題の解決にはたどり着けない我々人間の普遍的に持つ愚かさだったり悲しさだったりを象徴しているシーンのように思えました。

リューベン・オストルンド監督、一筋縄ではいかないです。


・これまでに観たリューベン・オストルンド監督作品 (私はこちらの方が好きです☆5つ)

   
【フレンチアルプスで起きたこと(2014)】





ジャンル:恋愛
原題:THE SECRET SCRIPTURE
製作年:2016年  製作国:アイルランド
監督:ジム・シェリダン
出演者:ルーニー・マーラ / ヴァネッサ・レッドグレーヴ / ジャック・レイナー / エリック・バナ / テオ・ジェームズ
上映時間:108分




アイルランド西部。精神科医のスティーヴン・グリーン(エリック・バナ)は、取り壊されることになった聖マラキ病院の患者たちが転院するのに伴い、彼らの再診を行う。そこで自分が生んだ赤ん坊を殺したとして、約40年収容されているローズ・F・クリア(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)を診ることになる。自身の姓はマクナルティだと訴え、殺害を否認し続ける彼女にほかの精神障害とは異質のものを感じたグリーンは、彼女が聖書の中に日記を書いていたことを知り……。



    

ルーニー・マーラとヴァネッサ・レッドグレーヴのW主演で、一人の女性を演じます。
素晴らしい作品でした!!





赤ん坊殺しの罪で40年精神病院に入れられるって。
老年のローズが、精神科医のスティーヴンに自らの失われた我が子の出生を巡る過去を語り始めます。そこから、ローズの若き日々の回想シーンが映し出されていきます。

老年のローズは、全ての運命を受け入れて抜けきったような・・・
だけど、若い頃からの主張は絶対に曲げずに強い信念として持っている。
そういう女性なんですね。





老年のローズが、ベートーベンの「月光」を弾くシーンがあるんですけど、
静ひつな曲想と相まって、ローズの孤独感をいっそう際立たせています。
涙がじんわり湧き出てしまう・・・
それほどローズの重厚な内容を、この曲は有していてとても印象的なシーンでした。





ローズが、40年も精神病院に入れられてしまったのには、当時のアイルランドの比較的田舎町での因習や、思想的な背景も入っているんですよね。
ローズは決して悪気はないんですが、ちょっと奔放なんです。
ちょっと奔放で美しいから周りの男性が放っておかないわけなんです。
そんな境遇が彼女を不幸に巻き込んでしまうという、非常に理不尽で不条理なストーリーの展開。そして、切ないラブストーリー。考えさせられました。あの牧師がー!!(怒)

“一冊の聖書が紐解く想像を超える結末とは!!”

こんな奇跡が起こるとは!ラストでは泣きました。
感動作でした。



☆これまでに観たジム・シェリダン監督作品


【マイ・ブラザー(2009)】




ジャンル:ドラマ
原題:GOODBYE CHRISTOPHER ROBIN
製作年:2017年  製作国:イギリス
監督:サイモン・カーティス
出演者:ドーナル・グリーソン / マーゴット・ロビー / ケリー・マクドナルド / ウィル・ティルストン
上映時間:107分




作家のアランは、第1次世界大戦から帰還後にPTSDになり、彼を励まそうと妻のダフネは子供を産む。赤ん坊の男の子はクリストファー・ロビンと名づけられ、ナニーとしてオリーヴが雇われる。アランは静養のためにロンドンから田舎に引っ越すが、何も書かないアランに愛想を尽かしたダフネは家を出ていってしまう。オリーヴも母親の看病で実家に帰り、アランとクリストファー・ロビンは2人で過ごすことに。最初はギクシャクしていたが、アランとクリストファー・ロビンは一緒に散歩に行くようになり、ぬいぐるみを使って徐々にキャラクターを創り出していく。息子との日々から構想を練り上げたアランは、新作「クマのプーさん」を生み出す。発表された「クマのプーさん」の勢いは止まらなくなり、物語に登場するクリストファー・ロビンのファンが増え、次第に一家は普通の暮らしができなくなる…。



    

世界中の人が知っている「クマのプーさん」のなんでも光と影の2本と言われている作品の一つで、劇場公開されている『プーと大人になった僕』は、完全なフィクションで「光」。こちら『グッバイ・クリストファー・ロビン』は「クマのプーさん」がどうやって書き上げられたのか?という実話で日本での劇場公開はされていない「影」なんだそうです。





あくまでも現実の話なのでひとりでに動く「クマのプ-さん」とか「ティガー」なんて当然出てきません。序盤は父親と息子の関係がいい感じに描かれているんですが、本が大ヒットしてからは状況が一変してしまいます。



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げんきんな妻も戻って来て、普通の少年の遊びや交流をさせてもらえずに広告塔としてあちらこちらに連れまわすんです。お金に目がくらんだ大人や、やみくもにもてはやすファンたちに囲まれてチヤホヤされながら、それでいて孤独で寂しい毎日を送るクリストファー・ロビンの姿が描かれています。



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そんな少年を影で支え続けた乳母オリーヴの存在は大きかったですね。

隔離をするために寄宿学校に入れられるも、そうとう酷いいじめを受ける。人々が少年に抱いている「クマのプーさん」の中のクリストファー・ロビンのイメージという呪縛から最後まで逃れることが出来なかった。そんな感じです。

クリストファー・ロビンの人生を全部追いかけているわけではなく、途中で終わっているんですけども、調べてみたら彼はその後、転落人生一直線だったと・・・そして、自分への失望が父親に怒りを生み出したと。

「クマのプーさん」誕生の背景には凄惨なドラマがあったんですね。







実在のぬいぐるみはいまもニューヨーク公共図書館に保存されているそうです。





ジャンル:アクション
原題:THE MERCILESS
製作年:2017年  製作国:韓国
監督:ビョン・ソンヒョン
出演者:ソル・ギョング / イム・シワン / キム・ヒウォン / チョン・ヘジン
上映時間:120分




犯罪組織のトップを目指す服役囚ジェホ(ソル・ギョング)は、刑務所に入ってきた野心家のヒョンス(イム・シワン)と出会う。自分以外の人間を信用せずに生きてきたジェホだったが、ある日、ヒョンスが彼を急襲から救い、二人の絆が深まる。彼らはお互いを信頼し合い、出所後に協力して犯罪組織の乗っ取りを図ろうとするが……。








いやぁ・・・さすがソル・ギョング!
とにかく内面からの役作り、ビジュアルへのこだわりを徹底的にやられていて凄いです。
【殺人者の記憶法(2017)】 の時なんて、おじぃちゃんみたいだったのに。

今作では、甲高い笑い声をトレードマークとし、
彼が持つ狂気をわざとふざけた感じに見えるよう表現してあるも、
煮えたぎる油をかけてじわじわと殺していく等と目の奥が怖いんです。
しかし、そのまた奥には寂しさもみえるんですよね・・。





ソル・ギョング演じるジェホとイム・シワン演じるヒョンスの関係性をみて、
韓国ノワールとは少~し違うかなと思いました。
どちらかというと男同士の駆け引きや友情、絆が描かれていました。

信頼と裏切りの交錯により展開されるストーリーに、どんどん目が離せなくなっていき、
クライマックスに近づくほど予測不能に陥ります。

「人を信じるな。状況を信じろ」

オープニングで語られた人の殺し方がラストに生きてくるとは。
この終わり方は想像できなかったです。

面白かったです!